トリックスター
愚者はトリックスターでもある。
トリックスター (英: trickster) とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っかき回すいたずら好きとして描かれる者のこと。善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、全く異なる二面性を併せ持つのが特徴。
トリックスター - Wikipedia
その特徴として重要なものをメモしておく。
- 善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、全く異なる二面性を併せ持つ
- 文化的に重要な働きを担う文化英雄でもあるが、一貫性を欠いた矛盾した役割を属性とする
ユングが『元型論』の中で、「トリックスター元型」として取り上げているようだ。
以下に、神話等での登場例。(いずれもwikipedia:トリックスターより)
- シェイクスピア『夏の夜の夢』に登場する妖精パック
- ギリシア神話のオデュッセウス、エリス、プロメテウス、ヘルメス、ヘパイストス
- 北欧神話のロキ
- ケルト神話のスピリット、パック(上記と同?)
- ユダヤ・キリスト教のルシファー、ヤコブ
- 古代メソポタミア神話のイシュタル
- ドイツ民話、ティル・オイレンシュピーゲル
- 日本神話のスサノオ、説話の吉四六
- 中国、『西遊記』の孫悟空、『封神演義』の哪吒
ヘルメスについては以下。
nattama.hatenablog.com
道化師、アルレッキーノ、佯狂者
愚者といえば道化師。
宮廷道化師|jester
宮廷道化師(きゅうていどうけし)とは中世ヨーロッパもしくはテューダー朝時代に支配者層によって雇われたエンターテイナー。……中世の宮廷道化師は色鮮やかなまだら模様(英: motley)の服装と風変わりな帽子を被っており、先にあげた現代のものはこの服装を模倣している。中世の宮廷道化師たちは、物語を語ったり、歌や音楽、アクロバットやジャグリング、奇術など様々な芸を披露して楽しませてきた。
宮廷道化師 - Wikipedia
支配者・特権者によって取り込まれ、制度化された異質とでも言おうか。
以下、気になった点を列挙。
- 物語を語る、奇術を披露する
- 二つのタイプがある。「先天的なもの」と「自由な言動を許されたもの」。前者はある種の神聖さを持つ…「自然な」愚者は神に触れられた
- 中世ではよく死神が道化の姿で描かれた「最後に笑うのは死神」
- 文学において、道化師は常識と誠実さの象徴
道化師の例。
- シェイクスピア、十二夜に登場。道化師フェステ「賢いからこそ馬鹿を演じられる」
- 古代エジプトにはファラオを楽しませる道化がいた
- 中世ドイツ、ティル・オイレンシュピーゲル
他。
- foolの語源はラテン語folis、風の袋または空気や息が入っているもの、の意
道化師の例としては、アルレッキーノの項に追記あり。
アルレッキーノ (Arlecchino) はイタリアの即興喜劇コメディア・デラルテ中のキャラクターの一つで、トリックスター。ひし形の模様のついた衣裳で全身を包み、ずる賢く、人気者として登場することが多い。国によっては、アルルカン(仏: Arlequin)、ハーレクイン(英: Harlequin)とも呼ばれる。
アルレッキーノ - Wikipedia
神聖さに過ぎれば、正教会の聖人「佯狂者」。
俗世に心を煩わされずに専ら神に仕え、祈祷と斎(ものいみ)のうちに功を積んだ正教会の聖人は勤行者と呼ばれるが、そうした人々のうち、世を離れず、昼は市井にあってボロをまとって徘徊し、寒さ・暑さ・飢え・辱めを忍び、夜は聖堂の軒下などに野宿して祈る聖人がこの称号で呼ばれる。
佯狂者 - Wikipedia
聖ワシリイ、など。
別称に、至福者、聖愚者。
タロットに寄ってまとめると、
奇術を披露する「魔術師」的要素を持ち、
「死神」として描かれることもあり、
佯狂者のような神聖さ、あるいは「隠者」的な性質を有する、というところか。
まずはゼロから
タロット、大アルカナに関する知識を収集してみる。
まずは、カード番号「0」愚者から。
愚者(ぐしゃ、英:The Fool, 仏:Le Mat)は、タロットの大アルカナに属するカードの1枚。
カード番号は「0」であるが、この番号が与えられているのはウェイト版など黄金の夜明け団系のデッキが多く、マルセイユ版などの伝統的なデッキでは番号が書かれていないものが多い。また、トランプのジョーカーの原型がこのカードだとする説もあるが、現在では否定されている
気になったのは以下。
愚者から連想される象徴として挙げられていた、
「宮廷道化師」「トリックスター」。
さらに、
「愚者=俗に侵されていない者」から「聖者」との解釈もある。
以上、3点について調べる。