トリックスター|元型論
『元型論』とは心理学者カール・グスタフ・ユングによって1921年に発表された心理学の著作である。
元型論 - Wikipedia
なお、読んだのは「トリックスター元型」の項と訳者によるその解説部分のみ。
以下、覚え書き。
- ウィネバゴ・インディアンについて分析した民俗学者の論文に対するユングのコメント
- トリックスターの例として冒頭部に挙げられていたのは、錬金術におけるメルクリウス
- トリックスターは人間意識の動物的な部分、未発達な段階に該当する
- 秩序の破壊者、文化的な約束を破る者である
- 愚行や破壊の後に、意味あるものを生む文化英雄となるケースも(プロメテウスなど)
ユングによれば、トリックスターは露骨な性欲とも結びつく動物的・未発達な部分であるため、後に意識の次元からは除かれていく。しかし、それは失われたのではなく、無意識へと移行しただけで、意識に問題が生じるようになると現れ得るのだという。
したがって、それは意識に抑圧された「影」であり、集合的な影の像がトリックスター元型である。また、中世ヨーロッパで盛んだった「愚者の祭り」についても述べられ、そこでは、子供など、ふだん社会の二次的な立場にある「影」が主役となった。
影とか愚者の祭りって、以前読んだ『影の現象学』にあったよね、確か。
あと、こんな記述もあったので一応メモ。佯狂者につながる?
- 救いのない人(=トリックスター)の絶望から、救い主への憧憬が生まれる
ネットで見たところ、元型論やトリックスターについては以下のサイトが詳しそう。
泉獺の水辺の棲家「元型論概説」
Keyword Project+Psychology:心理学事典のブログ「トリックスターとユング心理学の元型」